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Name 3-1. ネット社会とはなにか
Date 2001年5月17日



3-1. ネット社会とはなにか




 科学の中で最先端のものが、歴史的に人間が持っている根本的な不安の象徴として攻撃される事があった。ラジオやテレビ、そしてレントゲンが出来た時も、かなり悪者扱いされた。 インターネットも例外ではなく、人間は、想像を超えるものに対して、畏敬と恐怖を持つものである。私はこの現象は、インターネットに必要以上の期待や不安を持っているのではないかと感じ、むしろ論理的なものではなく、「インターネットは何か、えたいがしれないから怖い」という感覚的なものであると感じている。

 さて実際、ネット社会とはいったいどのような社会なのでしょうか?
現実社会とは異なる空間として、バーチャル空間と表現している文章などをご覧になったことがあると思います。しかし、ここには大きな表現上の誤解が生じていることにお気づきでしょうか?

バーチャルを英語の辞書でひくと

virtual:【形】仮想の、虚像の、事実上の、実質的な

と言う意味が出てくると思います。 

 なるほど、確かにネット上の仮想商店街、仮想大学校、と言うものは存在します。 ただ、この仮想と言う表現が曲者なのです。実際目に見えない商店街であっても、そこでは物も買えますし、店主とE-mailを通じて話すことも出来ます。 大学を例にとっても、そこに教室はありませんが、授業は実際に行われていますし、単位も修得できます。 また、最近良く聞く出会い系サイトやネット恋愛も、形は新しいにせよ、立派な恋愛であると思います。ですので、ネット社会を(virtual) 仮想の空間であると表現するのは、間違いであると私は考えております。 むしろ実質的なものなのではないでしょうか。

 同じネット社会を示す言葉として、Cyberspace(サイバースペース)という言葉について考えてみましょう。もともとサイバースペースとは、ウイリアム・ギブソンのSF小説『ニューロマンサー』から採られた用語であるが、小説においては、視覚、聴覚、臭覚などすべての感覚までもを、コンピュータが制御する新しい環境として描かれていた。 むろん、現段階で以上のことは不意可能であるので、小説のサイバースペースとは異なるものであるが、法律の世界では、すでにインターネットの空間を、サイバースペースと表現している。またネット社会を表現するには、既存の空間観念では計り知れない特性を有していることを捕らえている。

 それではいったい、ネット空間とはいったいどのような社会なのでしょうか?まずこの空間を考える上で、主な特徴を挙げてみます。

1. 国境を越えたグローバルな空間であり、各国の文化風習、法律のボーダーがあいまいである。

2. 技術的な視点、観点が必要不可欠である。

3. 双方向を持ったメディアである。

4. 伝達スピードの早さと、広範囲性。

5. メディアがデジタルであり、目に見えないものである。


 つまり私たちが経験してきた世界とは、似て非なるもので、アニメなどの空想空間ともまた違う、実にやっかいな世界なのである。 まず1.であるが、インターネットには国境が存在しないので、各国の文化、風習、マナー、などが混ざり合い、独特の世界を築きつつある。また、法律もこの世界を取り締まるには、限界が来ており、また各国の連携プレイも足並みがそろわない。 法律家、政治家はそれまで経験してきた世界とは異なるもので、通信法や情報法として論じられてきた旧来の法的アプローチでは、もはや過去の遺物のほか何もでもない。 つまり2.で挙げたように、技術者の助言無くして法律の制定すら出来ない状態である。3.と4.は、一般人に大きなパワーを与えた。 今まで、テレビや新聞の独壇場であった、一対多の情報発信が可能になり、また伝達スピードも今までとは比べ物にならないスピードである。さて、一番理解に苦しむのが、4.であろう。 以前ネット上におけるポルノ画像の裁判(*FLマスク裁判) で、押収したフロッピーに入った画像ファイルが、今までのものと同じ写真として扱えるか、と言う判例があったが、黒いフロッピーを目の前にして、これがポルノ画像です言う姿は、さぞかし滑稽な風景であったと思う。


 インターネットが、バーチャルな世界と言われ、あたかも仮想空間であるような錯覚が根付いてしまっていますが、実際は現実の世界とさほど変わらない世界が存在します。 その事は近年のサイバー法が証明しており、現行法を改善し、インターネットの世界にも通用するものを作り上げています。 また、掲示板荒らし、嫌がらせメールの送信、などを相手が見えないし、匿名性があると信じ込み、気軽に行う人がいるが、実際どこの誰が送信したかは、時間と労力さえあれば、わかるものである。この点でネットは匿名性があるから相手がわからないと言うのは間違いであり、むしろ犯罪につながった場合、動かぬ証拠を残していると考えてよいと思います。

 バーチャルな世界であるが、ネットの世界と現実の社会の境界線は、未だはっきりしない所も多い事は事実である。特にi-modeなど、大変容易に操作可能な端末がこれから、ますます増えるであろう中、便利さが故に、ネット社会の一員としての自覚を忘れちになる可能性が強いでしょう。そのため、ユーザー一人一人は、曖昧で、また規制の線が見えにくいネット社会(構造)を、悪意を持って使うならば、それは現実の社会で行う行為と全く同じであることを、常に認識する必要があるでしょう。 今後この境界線を明確にするのが、今後の課題になるであろうと思う。


*FLマスク裁判

岡山県倉敷市、理髪業と同県清音村、無職男性の2人は1996年12月21日ごろから97年4月3日ごろまでの間、FLマスクで女性の局部などを隠す処理したわいせつな画像を東京都内のインターネット接続プロバイダー2社のサーバー内に蓄積、有料で不特定多数のインターネットユーザーに再生・閲覧させた。無職男性は、97年1月28日ごろから4月12日ごろまでの間、岡山市と東京都のプロバイダーのサーバーにわいせつな画像を送信、不特定多数のユーザーに再生・閲覧させ、無職男性は約70万円、理髪業者は約30万円の利益を得ていた。


 岡山地裁は97年12月15日、求刑通り理髪業者に懲役1年(執行猶予3年)、無職男性に懲役1年6月(同)の有罪判決を言い渡した。有罪判決が確定。




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